行政書士がサポートする終活
ファイル№20 「終活における不動産整理⑧」
引き続き、所有不動産の状況を可視化していきます。
1.所有不動産に農地(田・畑)がある場合
*状況 小規模農業経営
被相続人年齢…75歳 配偶者…71歳
子供が2人 子供1は県外・子供2は同じ市内
子供2人とも農業承継の意思なし
| 対象者 | 固定資産税価格 | 希望用途 | 代償分割発生 | 相続人間の事情 | 田情報 | 農地転用許可7 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自分 | 田 500,000 畑 300,000 | 耕作地貸希望 少しの畑地希望 | 市街地中 | 必要 必要 |
||
| 配偶者 | 田 500,000 畑 300,000 | 子供の希望通に 少しの畑地希望 | 〇 | 要介護1 | 市街地中 | 必要 |
| 子供1 | 田 500,000 畑 300,000 | 田畑売却希望 | 〇 | 県外在住。実家 も含め売却希望 | 市街地中 | 必要 必要 |
| 子供2 | 田 500,000 畑 300,000 | 残る配偶者の為 畑残してもよい | 〇 | 同市内でも自分 の家族の世帯主 | 市街地中 | 必要 必要 |
終活を考えて整理する不動産の中に農地がある場合、様々な点で注意が必要です。
先ず農地は宅地に比べて税の優遇措置により評価額が低く設定されており、固定資産税も安く設定されています。そのため相続時には農地価格を農地の種類・どこに立地しているのか等の条件により、現在の固定資産税に倍率を乗じて評価しなおすことになります。
自分の所有する農地がどれだけの倍率で評価しなおされるのかは、国税庁より「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で示されています。けれど、相続財産の評価等は細かな判断が必要で、実際の相続においては税理士等の専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
ここでは、自分の相続が発生した場合相続税を申告する相続なのか、相続税を申告しなくても
よい相続なのかの目安にする程度で参考にし、農地の評価額は固定資産税評価とは異なることを念頭にいれておけばよいと思います。
農業経営をされている方の一番の問題は、後継者問題であると思います。自分の農地を誰が承継してくれるのか。子供達がいる場合子供達の意思はどうなのか。子供達に承継の意思がない場合、農地をどうすればよいのか。耕作者の方は知っている農地の常識も相続する子供達は農地のことを全く知らないというケースも多々あると思います。
農地は農地法により細かく管理されており、新たに農地を相続した場合相続登記をするのとは別に、所轄農業委員会に届けを出さねばなりません。また、子供達が農業を承継せず、売却を希望する場合でも、宅地のように売主・買主との合意だけでは売買できません。農地の売却や賃貸等は農業委員会の許可が必要です。また表中の農地の状況は市街地にある農地としていますが、その立地によっては原則農地転用の許可が得られず売却しづらい農地もあります。表中の市街地にある農地は原則農地転用が可能な土地となり、農地転用許可さえ得られれば売却が可能な土地となります。
不動産は資産と称されますが、農地は特殊で資産化が難しい不動産でもあります。このモデルケースでは配偶者が残された場合田で稲作はしなくても、畑で野菜栽培をしたいという希望があります。けれど、田も畑も農地法で管理されている農地であることは同じです。畑を遺すということは農地を遺すということです。
農地を承継した場合耕作することが原則で、休耕することはできても放置することはできません。休耕している場合でも、農地承継した相続人には空家相続と同じで管理責任が生じます。
相続人となる者達の意見もよく聞き取り、時にはアドバイスを遺し、時には希望を伝え、相続人が農地相続にとまどわないようにすることも不動産に関する終活となるでしょう。
相続や農地転用許可申請は非常に細かで専門的な作業となります。相続は税理士等に農地転用許可申請は行政書士にご相談ください。
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- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図4」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図5」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図6」
- 「配偶者居住権の利用の是非①」
- 「配偶者居住権の利用の是非②」
- 「終活における不動産整理①」
- 「終活における不動産整理②」
- 閑話「終の棲家」
- 「終活における不動産整理③」
- 「終活における不動産整理④」
- 「終活における不動産整理⑤」
- 「終活における不動産整理⑥」
- 「終活における不動産整理⑦」