行政書士 大熊登喜事務所

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ファイル№6 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図3」

 前ファイル№5では作成した家族相関図の中で常に相続人となる配偶者の方は赤マーカで、そしてその配偶者との間に生まれた子供は青マーカでたどりました。配偶者とその子供を相続人とする第1順位の相続です。この第1順位の相続をもう少し掘り下げてみましょう。

 時たまに相続に関する相談の中に、突然知らない弁護士や司法書士からの手紙が届き、自分が知らない間に誰かの相続人となっていたという手紙を受け取ったのだが、どうすればよいだろうかという相談があります。
 幼い時に父母が離婚し、その後一緒に暮らす親が再婚して新たに婚姻した為、自分に実の親や兄弟姉妹がいたことを知らなかったというケースや、例え知っていてもその後の係りも全くない自分が相続人となるということを知らなかったケース、反対に相続人が自分だけだと思っていたのに、いざ相続となって他の相続人の存在を知るなどのケースもあるでしょう。

 相続の手続きの開始には亡くなった人が生まれてから死ぬまでの戸籍謄本の取得が必要となります。亡くなられた方が結婚や離婚等により転籍(本籍の移動)をしている場合もありますので、戸籍の附票(戸籍と連動する戸籍筆頭者の戸籍内住所移動履歴)を取得して、過去の本籍地での戸籍情報も確認して相続人をもらさないように確定するのです。
 相続は亡くなった瞬間から始まりますので、自分が相続人であることを知らない人や、他に自分が知らない相続人がいることを知らない人も含めて相続財産は相続人の共有相続財産となり、遺産分割協議がなされるまでは、相続人の内の一人だけでは勝手に処分ができなくなります。そこで亡くなった人の相続を主導する相続人の一人から相続手続きの依頼をされた弁護士や司法書士の方からの突然の手紙が届くという状況になるわけです。

 このような混乱を防ぐために、もし死別生別に関係なくご自身に以前の婚姻による子供がいた場合は別用紙にでも前配偶者をご自身と破線で結んだ家族相関図を作成し、前婚姻による子供へと続く線を青マーカでたどります。
 この時前婚姻の配偶者は相続人とはなりません。

 次回は今回のような隠れた相続人がいることの混乱を防ぐためにも、法務局で遺言書を保管管理する「自筆証書遺言書保管制度」に触れようと思います。

バックナンバー

  1. 「はじめに」
  2. 「エンディングノートと2冊のマイファイル」
  3. 「ネームファイル1頁表:戸籍 裏:家族相関図」
  4. 閑話「終活?或る3人の話」
  5. 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図2」