行政書士がサポートする終活
ファイル№23 「死の瞬間から始まること①法的に」
終活を考えるとき、今何を整理しておくべきかを判断するためには、 「死の瞬間から何が始まるのか」 を知っていることが前提となります。 自分の死を想像することは心穏やかなことではありませんが、 その後に起きることをここで確認していきましょう。
■ 法的に死の瞬間から始まること
- ① 死亡の事実の成立 本人の権利能力が消滅します。
- ② 相続の開始(民法882条) 「相続は、死亡によって開始する」と規定されています。
- ③ 相続人の確定 法定相続人が自動的に確定します。
- ④ 遺言の効力発生(民法985条) 遺言の効力は死亡の瞬間に発生します。
- ⑤ 遺言執行者の権限開始(民法1006条) 遺言に遺言執行者の指定がある場合、死亡によりその権限が開始します。
- ⑥ 一身専属権の消滅 年金受給権など、本人のみが持つ権利が終了します。
コロナ禍以降、葬儀の形はさまざまな選び方ができるようになりました。 葬儀の規模の選択を含め、お墓に納骨する方法もあれば、 納骨堂に納める形や、樹木葬のように自然の中へ納骨する方法、 どこにも納めずに散骨を選ぶ方法もあります。
これらの選択は死後に遺族が行いますが、 生前に希望を伝えておくことで、遺族の選択の負担を軽くします。 葬儀に必要な情報と自分の希望を事前に家族と共有しておくことが大切です。
以下に、仏教の葬儀を例とした家族間共有事項を示します。
■ 葬儀に関する家族間共有事項(例)
- ① 葬儀の形式 一般葬・家族葬・納骨堂・樹木葬・散骨など。
- ② 宗派・依頼先 旦那寺と葬儀社への連絡をします。旦那寺がない場合は葬儀社に相談します。
葬儀社へ依頼する際は、積立をしている葬儀社があるかどうかを確認します。 - ③ 葬儀費用 葬儀費用を遺している場合は、どの通帳を使用するかの指定。死後、通帳口座は凍結されますが、相続人全員の合意があれば、相続財産から葬儀費用を支出できる場合があります。
ただし、その判断は金融機関の運用によるため、事前の確認が必要です。 - ④ 喪主の決定 喪主は葬儀の責任者であり、進行と費用の責任を負います。
参列者からいただく香典は、葬儀の場で一般的に喪主が受け取ります。
これは慣習によるもので、法的な決まりがあるわけではありません。 - ⑤ 葬式の案内先 親族・近所・友人・会社関係・介護関係など。
関係団体毎に連絡をする一人を決めておき、連絡をします。 - ⑥ 棺に納めたい愛用品・遺影写真の指定
- ⑦ 死後の祭祀を誰が行うかの決定 墓や仏壇がある場合は誰が承継するのかを確認します。
墓地管理料や仏壇の維持・法要費等、祭祀の承継には費用が伴います。
この時に墓仕舞いの検討をすることもあるかもしれません。
(R8.9.30記 この内容は現時点の法令を基にしています。
不動産がかかわる相続は非常に細かで専門的な作業となります。相続は税理士や司法書士・行政書士に。不動産に関する疑問は土地家屋調査士や行政書士・宅地建物取引主任者等にご相談ください。)
バックナンバー
- 「はじめに」
- 「エンディングノートと2冊のマイファイル」
- 「ネームファイル1頁表:戸籍 裏:家族相関図」
- 閑話「終活?或る3人の話」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図2」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図3」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図4」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図5」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図6」
- 「配偶者居住権の利用の是非①」
- 「配偶者居住権の利用の是非②」
- 「終活における不動産整理①」
- 「終活における不動産整理②」
- 閑話「終の棲家」
- 「終活における不動産整理③」
- 「終活における不動産整理④」
- 「終活における不動産整理⑤」
- 「終活における不動産整理⑥」
- 「終活における不動産整理⑦」
- 「終活における不動産整理⑧」
- 「終活における不動産整理⑨」
- 「終活における不動産整理⑩」