行政書士がサポートする終活
ファイル№22 「終活における不動産整理⑩」
終活を考えて整理する不動産の種類(地目)を今まで表にして可視化してきましたが、今までとりあげた種類以外の不動産は、通常の生活にはあまり係わりにならない不動産に該当します。そのような不動産が固定資産税の明細に記載されている場合は、土地家屋調査士への相談をされることをお勧めします。きっと相続する時にどのような問題があるのかを専門的に回答してくれると思います。
今まで不動産の種類に関して説明する時に固定資産課税明細書を確認してくださいということをよく言いましたが、注意することがあります。
固定資産税は一定の評価額を下回る不動産に関しては課税されません。課税されないこの不動産は固定資産課税明細書に記載されないのです。固定資産税の免税点未満の不動産と言われますが、令和8年度の税制改正で、免税点は土地・建物ともに課税標準額は30万円になっています。少しの面積の田・畑・山林や原野などはこの免税点以下になることが時にあります。自分の所有する不動産に免税点未満の不動産があるかどうかは市区町村の固定資産税課に出向き、名寄帳(なよせちょう)を取得すればわかります。名寄帳は固定資産課税台帳を所有者ごとにまとめた一覧表で、こちらには所有不動産が免税点関係なく記載されています。
また、2026年2月から施行されている「所有不動産記録証明制度」を利用して、自分の所有する不動産を確認する方法もあります。
これは自分が所有する全国の不動産を一覧化し、証明書として交付してくれる制度ですが、基本は検索による一覧化です。その為申請人の住所氏名と所有する不動産の記載が一致しない、登記が未登記であるなどの場合は検索されませんので、今は名寄帳を取得する方法が一番よいかと思います。
不動産は資産です。その資産の状況を知ること。将来的な活用法、相続になった場合の処理などを考えることは、終活を考える年齢になった者には、なかなか難しい判断が必要な時もあります。自分の意思、希望を尊重しながらも独りよがりにならない不動産の整理をすることは重要なことです。
自分の為の終活。もちろんこれが一番大事ではあります。けれど終活の行きつく先に家族がある人、社会的な目的のある人などは、自分の終活の先にいる人達との連携もまた、重要な終活のやり方となるでしょう。
次回は葬儀の話になります。
(R8.8.31記 この内容は現時点の法令を基にしています。
不動産がかかわる相続は非常に細かで専門的な作業となります。相続は税理士や司法書士・行政書士に。不動産に関する疑問は土地家屋調査士や行政書士・宅地建物取引主任者等にご相談ください。)
バックナンバー
- 「はじめに」
- 「エンディングノートと2冊のマイファイル」
- 「ネームファイル1頁表:戸籍 裏:家族相関図」
- 閑話「終活?或る3人の話」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図2」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図3」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図4」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図5」
- 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図6」
- 「配偶者居住権の利用の是非①」
- 「配偶者居住権の利用の是非②」
- 「終活における不動産整理①」
- 「終活における不動産整理②」
- 閑話「終の棲家」
- 「終活における不動産整理③」
- 「終活における不動産整理④」
- 「終活における不動産整理⑤」
- 「終活における不動産整理⑥」
- 「終活における不動産整理⑦」
- 「終活における不動産整理⑧」
- 「終活における不動産整理⑨」