行政書士 大熊登喜事務所

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ファイル№8 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図5」

 ファイル№7で、非常に安価で効率的に利用できる「自筆証書遺言書保管制度」を紹介しました。この「自筆証書遺言書保管制度」にはさらに「通知」という保障の効用もあります。

 せっかく遺言書を作成しても自身で保管する場合は、相続人等に発見されなかったり発見されても一部の相続人等により隠蔽されたり改ざんされたりする恐れがありますが、「自筆証書遺言書保管制度」を利用することにより一定の条件の下、遺言書保管所(法務局)から、関係相続人に遺言書を保管していることを通知してもらうことができます。
 しかし、この通知は遺言者が死亡した後自動的に関係相続人に通知されるわけではありません。通知には「関係遺言書保管通知」と「遺言者が指定した方への通地」の2種類があります。
 「関係遺言書保管通知」は、相続人の一人が保管されている遺言書の閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けたときに、遺言書保管官が他の相続人に対しても「遺言書が遺言書保管所に保管されている」ことを通知するものです。この通知により、全ての関係相続人が公平に遺言書情報を知ることができます。
 「遺言者が指定した方への通地」は戸籍担当部局と連携した遺言書保管官が遺言者の死亡の事実を確認した場合に、遺言者が事前に指定した者(3名まで指定可)に対して遺言書が保管されていると通知されるものです。(この通知は遺言者が希望する場合に限り実施されます)この通知を利用すると遺言者が遺言保管所に遺言を保管していることを誰にも伝えないまま死亡した場合でも、指定した人にその遺言書が保管されていることが知らされることになります。但し、指定通知を受領した者であっても、関係相続人等(遺言者の推定相続人並びに遺言書に記載した受遺者等及び遺言執行者等)でない場合は閲覧や遺言書情報証明書の交付は受けられません。

 「自筆証書遺言書保管制度」を利用して通知することにより、結果としてファイル№6で触れた互いが知らない相続人同士にも確実に遺言書情報が届くことになり、相続人が被相続人の死亡後に自分が知らない相続人を探すという一つの問題を解決することでしょう。

バックナンバー

  1. 「はじめに」
  2. 「エンディングノートと2冊のマイファイル」
  3. 「ネームファイル1頁表:戸籍 裏:家族相関図」
  4. 閑話「終活?或る3人の話」
  5. 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図2」
  6. 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図3」
  7. 「ネームファイル1頁:戸籍 裏:家族相関図4」