行政書士がサポートする終活
ファイル№1 「はじめに」
「終活」という言葉は元から使われていた言葉ではありません。
急速な少子化により総人口が減少する中、65歳以上の人口は増え続けるという「少子高齢化」という日本の社会現象を背景に使われ始めた言葉なのです。
― 65歳以上の高齢者が総人口に占める割合29.3%:令和6年9月15日総務省報道資料統計トピックス№142より ―
「終活」の言葉の意味は「人生の終わりのための活動(人生の終わりを迎えるための準備と総括)」です。その言葉と意味は高齢化社会に認知され、高齢者として人生の終わりを迎えるまで「どのように生きてゆくのか」「自分にはどのような問題があり、どのように解決をしていけばよいのか」を多くの高齢者が考えるきっかけとなったと思います。
厚生労働省の発表によると2023年の日本人の平均寿命は男性81.09年、女性87.14年でした。高齢者とカウントされる65歳から数えれば、20年以上を高齢者として生きるわけです。「どのように生きてゆくのか」に関してはこの20年を明るく前向きにとらえ、健康的な充実した人生を生きることを終活の目的として活動すればよいと考えます。
「自分にはどのような問題があり、どのように解決していけばよいのか」に関しては高齢者の数だけの事情と問題があると思います。病気・介護・居住・家庭内事情等様々な問題があり、解決に至るには多くの専門家・行政機関・地域と関わりを持ち協力をしあわなければなりません。これらの問題の中の一つには業務範囲の広い行政書士がサポートできることがあるのではないかと思います。
「相続」は自分が死んだその瞬間から、故人となった自分が被相続人となり始まります。
では、「終活」はいつから始まるのか。私は自分が死ぬということを意識したその時、また家族がおられる方には残る家族を思いやった時から始まると思います。
「終活」を一言で言うならば「自己整理」「問題整理」だと思います。
「終活」を社会的・資産的・権利的目線で考える時、このコラムが先ずは自分にはどのような問題があるのかを知る一助となることを願っております。